解説従二位家隆(じゅにいいえたか)

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第98番
従二位家隆
(じゅにいいえたか)

風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける


☆ かぜそよぐ ならのおがわの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
★ かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける


小倉百人一首_タイトル 小倉百人一首_タイトルの意味 風がそよそよと、楢(なら)の葉に吹きそよぐ、楢の小川(上賀茂神社の前を流れる参拝人が手口を清める御手洗川(みたらしがわ)。現在の京都市にある)の夕暮れは、もう秋のような気配だけれど、ただ、夏越の祓(なごしのはらえ)のために行なわれている禊(みそぎ)が、いまは夏なのだ、というしるしなんだなぁ。

小倉百人一首_タイトルの鑑賞  夏越の祓とは、旧暦の6月末に行なわれる神事です。旧暦の6月は現在の7月にあたりますから、ちょうど梅雨も明け、湿度が高く暑い季節です。疫病や病害虫が発生しやすい時期なので、人々の罪や穢れを神さまに祓って、清らかにしていただいたのです。禊とは、神事にかかる前に、水で身を清めることです。いまでも、神社へお参りをするときに、お手水(ちょうず)で、手を洗ったり、口をゆすいだりするでしょう?それは、現在に残る禊の名残です。この和歌は、夏の夕暮れ、少し秋の気配も感じられるようななか、しめやかに禊の儀式が行なわれている様子を詠ったものです。
 『古今六帖』の「みそぎする ならの小川の 川風に いのりぞわたる 下に絶えじと(禊を行なう楢の小川の川風に吹かれながら祈っています。わたしたちの恋が密かに続きますように、と)」と、『後拾遺和歌集』の「夏山の楢の葉そよぐ夕ぐれは今年も秋の心地こそすれ(夏山のなか、楢の葉がそよぐ夕暮れは、今年も秋が来たような気がするなぁ)」の二首を踏まえた本歌取り(ほんかとり)しています。

小倉百人一首_作者タイトルについて従二位家隆は、本名を藤原家隆(ふじわらのいえたか)といいます。第83番の歌人である藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)に和歌を学び、この「小倉百人一首」を選んだ藤原定家(ふじわらのていか)と並び称されるほどの歌人でした。

注)☆は旧仮名遣い、★は現代仮名遣いよみです。
旧仮名遣いは、仮名のとおりに発音しないものがあるので連記します。
市販されている百人一首カルタは、☆表記になっていますので、☆と★を見比べながら、読んでみてください。

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