解説周防内侍(すおうのないし)

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第67番
周防内侍
(すおうのないし)

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそ惜しけれ


☆ はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそおしけれ
★ はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ


小倉百人一首_タイトル 小倉百人一首_タイトルの意味 春の夜の夢のように、儚くて短いたわむれに差し出された手枕(腕枕のこと)のために、つまらない噂がたってしまうでしょうね。そんなことで、恥ずかしくわたしの名が広まることが、惜しく思われますよ。

小倉百人一首_タイトルの鑑賞  二月の夜に、親しい友人たちと夜更けまで話し込んでいたときに、眠くなったのか、物に寄りかかって「枕が欲しいわ」と内侍がささやいたのを聞いた藤原忠家(ふじわらのただいえ)が、「これを枕にどうぞ」と言って、御簾のしたから腕を差し出したのをからかって詠んだ和歌だそうです。旧暦二月はいまの三月頃ですから、夜風に梅の香りや草木の萌えはじめる甘い香りがただよっている夜でしょうね。忠家は、この内侍の和歌に、「ちぎりありて 春の夜ふかき 手枕を いかがかひなき 夢になすべき」と返しました。意味は、「前世からの深いご縁があるのに、いまこの春の夜更けの手枕をなぜ無意味で儚い夢で終わらせられるでしょうか。」と、なかなか本気っぽいです。ふたりとも30代半ばのときの和歌ですから、大人の洒落っ気で詠んだのでしょうね。忠家は、『小倉百人一首』を選んだ藤原定家(ふじわらのていか)の曽祖父にあたるひとです。曽祖父の面白エピソードを選ぶなんて、定家もなかなかウィットに富んでいますね。

小倉百人一首_作者タイトルについて  周防内侍は、いまから900年ほど前の宮廷女官です。本名は平仲子(たいらのちゅうし)。父である平棟仲(たいらのむねなか)が周防守であったため、周防内侍と呼ばれました。


注1)☆は旧仮名遣い、★は現代仮名遣いよみです。
旧仮名遣いは、仮名のとおりに発音しないものがあるので連記します。
市販されている百人一首カルタは、☆表記になっていますので、☆と★を見比べながら、読んでみてください。

注2)女性は、本名すら伝わることも稀なので、正確な読み方もわからない場合が多いです。混乱を避けるため、女性の名前は一般的に音読みされます。訓読みが浸透している女性のみ訓読みも記すことにします。

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