解説殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)

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第90番
殷富門院大輔
(いんぷもんいんのたいふ)

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず


☆ みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
★ みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず


小倉百人一首_タイトル 小倉百人一首_タイトルの意味 涙に濡れて、色の変わったわたしの袖をお見せしたいものですよ。雄島(現在の宮城県の名所である松島のなかの島のひとつ)の漁師の袖ですら、たくさん濡れても、わたしの袖のようには色は変わらないでしょうに。

小倉百人一首_タイトルの鑑賞  なぜ、京都に住んでいる女官の和歌に、宮城県の島が出てきたのか不思議には思いませんか?この和歌は、歌合(うたあわせ)のときに、「松島や 雄島の磯に あさりせし あまの袖こそ かくはぬれしか(松島の雄島の磯で漁をした漁師の袖くらいですよ。わたしの袖のようにこんなにも袖を濡らしたのは。わたしは恋の涙で袖を濡らしているのですがね)」という和歌を踏まえて(これを「本歌取り(ほんかとり)」といいます)詠まれたものです。本歌の作者は、第48番の歌人である源重之(みなもとのしげゆき)です。大輔の和歌は、重之の本歌よりもさらに大げさな言い回しになっていますが、それもまた、女性の悩み深い様子が伝わっているように感じます。

小倉百人一首_作者タイトルについて  殷富門院大輔は、いまから850年ほど前の宮廷女官です。後白河天皇(ごしらかわてんのう)の第一皇女である殷富門院亮子内親王(いんぷもんいんないりょうしないしんのう)に仕えました。藤原信成(ふじわらののぶなり)というさほど地位の高くない官僚の娘です。当代一流の女流歌人でした。


注1)☆は旧仮名遣い、★は現代仮名遣いよみです。
旧仮名遣いは、仮名のとおりに発音しないものがあるので連記します。
市販されている百人一首カルタは、☆表記になっていますので、☆と★を見比べながら、読んでみてください。

注2)女性は、本名すら伝わることも稀なので、正確な読み方もわからない場合が多いです。混乱を避けるため、女性の名前は一般的に音読みされます。訓読みが浸透している女性のみ訓読みも記すことにします。

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